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染の里 二葉苑

染色を学ぶ(染色教室)

学び・体験・染色の心に触れる

型を置いて、白生地に優しく刷毛を滑らせる。藍花で描いた下絵に沿って、一筆、一筆、イメージした色を挿していく。澱みのない静かな空気の流れ。少しずつできあがっていく自分だけの染物。熟練の技に触れながら至極の時間を過ごす。

自分の手で染めていくからこそ、「味」がある

自分のペースで
定規で引いたような、几帳面な線などはいらない。コンピューターで描いたような精密な図案もいらない。自分の手で、できる範囲でやればいい。花の輪郭線が多少、震えていてもそれが味というものだ。自分だけの味と思えばいい。線はでこぼこ、色むらがあったって、自分で染めた布たちは、かけがえのない、大事な逸品になる。
「今、学んでいらっしゃる方々も染色の経験はまったくありませんでした。ていねいに教えて差し上げるよりは、ご自分らしいものをお作りになっていただきたい。そのお手伝いをしています。3年目、5年目という生徒さんもいらっしゃいますよ。」
と話してくれたのは、「染の里 二葉苑」の染色教室でマネジャーを勤める小林慶子さんだ。
教室と聞くと、すぐに「授業」を思い浮かべてしまうが、二葉苑の教室は、授業ではない。手習いごとには違いないが、自分の速度、ペースに合わせて進めることができる。図柄から下絵、そして染色に至るまでをそれぞれが楽しみながら染物を仕上げていくことができるというわけだ。

仕上げていく過程が楽しい
「型染めコース」でも「手挿しコース」でも、何を製作するかを決めるところから始まる。最初はテーブルセンターなどから入る人もいれば、実際に帯を製作していく人もいる。
すべて実際の染色工程に従って、実際に先生である職人たちが毎日している仕事そのままを体験することができる。
まずは自分で図案を考えて簡単なラフスケッチなどを用意していく。ある生徒さんは「染色を始めてからというもの、以前よりも季節の草花を見るようになりました。美しいと思ったものをスケッチしたり、デジタルカメラに収めたりして図案の元にしています」と、にこやかに語ってくれた。季節の花を表現していくというのも素敵なことだ。
「手挿しコース」は、描く図案が決まったら、今度は白生地に、藍花の染料で下絵を描く。持参した図案を見ながら、細い筆を生地の上に走らせていく。少しくらい線が曲がってもご愛嬌といったところだ。
下絵を描き終わると、自分のイメージに合わせて色を選ぶ。花びらはピンク、花びらを取り巻く葉は緑。緑も数種類の色を用意することもある。筆で色を挿していく眼差しは真剣そのものだ。
「型染めコース」は、下絵のイメージに合わせて、実際に型を彫る。小刀を使って慎重に掘り進んでいくが、どんな型が必要かは先生と相談しながら決めていく。型ができれば、いざ、本番。柄の大きさに合わせて刷毛を選び、染料を着けた毛先を優しく、優しく型の上を滑らせる。一度、2度、ときには何度も自分の色のイメージに合わせて走らせていく。
刷毛を滑らせていくたびに、そして型を取り替えていくたびに、真っ白な生地に、少しずつ、絵柄が増えて、色が多彩になっていく。
ある生徒さんは、「刷毛の使い方が意外と難しいですよ。よく、『もっと優しく』と指導されることがあります。」と言うが、その表情はどこか楽しそうで、明るい。
「手挿しコース」も「型染めコース」も彩色が終わると、今度は防染糊を塗布し、地色を染めていく。図柄とのバランスを考えて、生徒さんの中には「どんな色をもってくるかも悩みます」と言う人もいるが、それもまた楽しいことだ。

手にしたときの喜び
地色を染めると、もう完成は目の前だ。水洗いをして防染糊を洗い流して、それぞれの色を定着させるために「蒸し器」に入れる。この作業は教室のほうでやってくれるが、その間は、実際にどんな仕上がりになるのかを心待ちにする時間だ。
「自分の作品を受け取ったときの皆さんは、とてもいい笑顔をしますよ。」と、マネジャーの小林さんもうれしそうに語ってくれた。
染色教室で、自分の手で染めた作品は、それこそ作り手自身のものだ。ショップで買ってきたものとはわけが違う。
「初めて作った作品を主人が褒めてくれて、それ以来、夢中になっています。」と言う生徒さん。また、「最近では息子や娘が批評家気取りで嫌になってしまいますよ。」と話してくれた生徒さん。ともに表情が明るい。家庭の中でも、作った作品で盛り上がっているに違いない。
そして、「自分が染めた帯を始めて着物に締めた時、ちょっと震えてしまいました。友人達にも自慢してしまいました。」という生徒さんもいる。着物の楽しみを自分で見つけた人たちが、自らの手で帯を染めていく。そして、いつもと違う自分を演出していく。
染色は、一度始めるとなかなか辞められないものなのかもしれない。それは自分らしさを表現し、そして何よりも一つの作品として残るからだ。そして、もし、着物や帯を製作できるようになれば、着物を趣味とする人にとっては「究極の楽しみ」と言うことができる。自分を磨き、そして達成感を得ている。そんな手習い事も、ちょっといいかもしれない。

生徒の作品

二葉苑教室スタッフ

染色教室マネージャー 小林慶子絵心や器用さは関係ありません。
上手く作ろうと思うよりは、自分らしい作品をお作りになるのが楽しい。染色には人それぞれの喜びがあります。
染色教室マネジャー
小林 慶子

染色教室マネージャー 小林慶子ときには大胆に、ときには繊細に筆を運ぶことが手挿しの面白さかな。失敗したときには助け舟を出しますから、思い切ってチャレンジしてみてください。
型染めコース・講師
富所 正夫

染色教室マネージャー 小林慶子刷毛は優しく、布をいたわるように滑らせていくことが大事です。
型どおりに色が付いたときには、うれしいものですよ。
手挿しコース・講師
大野 勝